

Photo by AOPA

日米友好ミッション・フライト2025
(米国国内飛行のみに変更)
2021年に単独、単発機で世界一周フライトを成し遂げた隻眼のパイロット前田が、2025年、再び日本の空を飛ぶためミッション・フラ イトに挑む準備を進めていました。2021年の世界一周後、前田には大きな目標がありました。それは「日本の空を再び飛ぶこと」です。コロナ禍、世界初の単独世界一周フライトでは、日本入国が許可されない非常事態が発生。千歳では家族との再会もフェンス越しで行われ、その写真がSNS上に載ると国内外のサポーターは驚き、前田同様に苦い思いをしました(後述、シンジの世界一周はまだ終わっていないを参照)。だからこそ2025年、太平洋を横断し祖国を目指す日米友好フライトの計画が進んできたのですが、2024年12月25日時点で大きな変更を報告しなければなりません。
米国航空局FAAより太平洋横断に不可欠なフェリータンク(増槽燃料)の増設許可を得るための技術検証及び認定準備作業をこの2年間継続しておりましたが、先週の時点で当局より当該許可が降りないことを担当業者経由で報告を受けました。棄却理由は該当機の低速時飛行特性(燃料多積載により重量超過の場合、失速する懸念がある)のためです。この許可を得るために私たちはこの長い期間をかけ、科学的にかつ実機履歴に基づき説得の準備をしてきました。しかし、これ以上の米航空局との交渉はパイロット、当該機、また公共安全を害することになるため断念します。この結果、太平洋横断が実質不可能となり、非常に残念ながら日本上陸自体を断念する運びとなりました。ただし過去に太平洋を同様に飛行したパイロット達の名誉のために追記しますが、運航限界内の重量超過自体は危険なことではありませんし、過去にFAAが許可を下ろしていたわけです。
ただそんなことで日米友好フライトが中断されることはありません。

Promoting Peace and Friendship
前田の世界一周を全面的にサポートした人物でもある 恩師のエイドリアン・エイコンと、その愛機ジーナ(N1733G)と共に飛行するデュアルフライト!!
太平洋戦争終戦から80年となる2025年。日本とアメリカの友好関係の象徴となるべくフライトの行き先は?
歴史に名を残す4人の大統領の顔が彫られたマウント・ラシュモアをスタートし、戦前当時原爆投下準備が進められたユタ州ウエンドオーバー陸軍 B29航空基地歴史記念館、戦時中に日系アメリカ人が収容されたカリフォルニア州マンザナー強制収容所、ネイティブアメリカン、ナバホ族が今も暮らしているモニュメントバレーなどを訪問予定です。
航空の発展に寄与した飛行機乗り達へだけでなく、両国の建国に命をかけた人々に感謝をこめて、新たな夢と希望を載せて二人は共に米国内(西海岸)を飛行します。まさに歴史に畏敬の念を抱き、思いをはせるミッションになります。
なぜ再び日本の飛行を目指したのか。。
シンジの世界一周はまだ終わっていない。
「片目ではパイロットになれない」と言われ続けた前田が、障が いをもっていても空を飛べるということを証明し、希望を届ける ために日本の空を飛びたいという思いで挑んだ2021年、コロナ禍真っ只中の世界一周フライト:アースラウンダーは想像を絶するほど過酷な環境でした。世界18カ国を飛行する中で滞在許可が下りなかった、自身の祖国、日本。 正式な入国ビザ手続き、ワクチン接種、数日ごとのPCR陰性確保など準備は完璧でしたが悔しくも、日本入国及び滞在は叶わず、那覇と千歳での給油のみの許可となりました。
「夢を諦めず挑戦し続けることの大切さを伝えるために飛んだはずが、障がい者として差別を受け続けた日本に、まだ十分に伝えられていない。」前田の胸に、再び熱い想いが灯ります。 日本でフェンス越しにしか会えなかった家族やサポーター、また海外のサポーターからも、「日本の津々浦々を飛ぶまではシンジの世界一周は終わらない」と後押しを受け、2021年のアースラウンダーを完結すべく、2025年の日米友好ミッション・フライトの計画が始まったのです。

フェンス越しに家族、サポーターとの対面
沖縄に着陸した前田とルーシー


「ありがとう」を伝えるミッション
2021年6月5日、前田は闘病中の母とフェンス越しで再会することになります。そのとき「ずっと皆さんがシンジを待っててくれていました。お礼を伝えてください」と前田に伝えたのです。
前田の母親が最期に彼に伝えたのは「どんな状況でも人々に感謝する」ことだったのです。このあと、前田の母は帰らぬ人となりますがこの時の経験は日米友好フライトを実施するもう一つの理由になるのです。それは太平洋戦争中、多くの若者が国や家族を想い、尊い命を犠牲にして戦地へ飛び立ちましたが、母親に宛てた想いがつまった手紙が数多く残っているのです。つまりそれは「ありがとう」の言葉なのです。
80年前、日米は大きな喧嘩をし、両国共に多くの命を失いました。しかし、アメリカは前田に空を飛ぶ翼だけではなく、自分の手て日本にまで帰ってくるチャンスまで与えてくれました。そんな経験をしているからこそ、両国のために生きた御霊へのお礼を込めるミッションなのです。

恩師であり、相棒、友達でもあるエイドリアンとのミッション達成に挑む
今回のミッション・フライトで飛行を共にするエイドリアンは、2016年に前田のボナンザ機「ルーシー」と同型 機で世界一周を達成した経験を持っています。二人が出会ったの は2017 年(YouTube)。初めは「お前にはまだ早い」と2021年の世界一周フライトの支援をすることを断わられました。しかし、その後も前田のどんな ことがあっても世界一周フライトを実現させるという揺るぎのない決意にエイドリアンは心を動かされます。それ以来、彼は自分の知識や経験を前田に伝授し、世界一 周フライトを全面的にサポート、成功へと導いてくれた前田の恩師と言える存在です。文化、言語、時代背景の違いを超え、互いの空への情熱を通して、二人の友情が生まれ、最高の buddies(相棒)となった二人が、これまでAZPが伝え続けてき た理念をより具現化し、2025年の日米友好ミッション・フライト に挑みます。
未来を担う子どもたちが夢を持ち、輝ける世界を一緒に作りませんか?
私たちの今までの活動も沢山の方々のサポートにより達成することが出来ました。あなたも今回のミッション・フライトに参加して、より多くの人に夢を追うことの大切さを伝え、そしてその可能性を広げる一員となりませんか?皆さまのご支援が、誰かの明日を輝かせます。
現在、AZPは以下2つの方法でのご支援をお願いいたしております。ご寄付・ご協賛金はその全てを本ミッション・フライトのために大切に活用させていただきます。